放送番組審議会
最新の放送番組審議会の概要
放送番組審議会は、関係法令に定められた機関で、番組内容の充実・向上を目指すことを目的に放送開始の1990年に発足しました。現在各界の有識者8名の委員で構成され、6カ月毎に会議を開催しています。
第110回放送番組審議会
- 日時
- 2020年10月1日(木)~23日(金)
- 手法
- 新型コロナウイルス感染拡大への影響を配慮して、委員にDVDを配布。ファックスおよびメールにてご意見をいただいた。
- 委員
- 足立 守 委員長、長谷川栄胤 副委員長、伊神 悟 委員、小林史郎 委員、内藤貴雄 委員、西川まさ子 委員、藤井昌也 委員、野口 宏 委員
- 審議内容
- 1. 審議対象番組「ほんの8ミリ」について
ビデオカメラが普及する前、一般家庭で唯一の動画撮影を担った8ミリカメラ。現在は生産中止となってしまったが、ほんの8ミリの幅のフィルムに日常を撮影したプライベート映像は時が経つにつれ歴史的資料となっていく...。第一巻では視聴者から募集した1950年代~1980年代までの名古屋の変化を紹介した。
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- 【小林委員】
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- 基本的には名古屋駅や栄などニュースでも取り上げる先が多かった。運動会やお祭りなどの身近な行事を盛り込めるとより親しみが湧いた(高齢者の興味も惹ける)。
- 技術的に難しいとは思うが彩色をし直してカラー版を制作すると違った魅力が生じるのではないか。
- 【内藤委員】
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- 私と同世代以上の方は懐かしく、市民目線でたくさんの名古屋の歴史映像が紹介されていてよかった。
- プロの映像ではないので、作品としてのレベルは低めだが、それがまた時代を感じさせ、アナログ的でよかった。
- 「年配の人が撮影した昔の8ミリ動画」とあるが、この映像を撮ったときは、まだ"年配"ではなかったのでは?表現に留意した方が良い。
- 昔の栄の交差点の位置関係などはわかりにくく、現在の場所の映像との比較があるとより良かったのでは?
- また名古屋駅太閤通り口の紹介部分で10数秒の数人の男の人が歩く映像は必要だったか?
- アマチンさんのナレーションはあいかわらず小気味よくわかりやすくてよかった。
- 【伊神委員】
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- 「歴史的記録が残されているのです」と締めたナレーションに今一度、紹介した8ミリでの当時の名古屋の様子を映したら、その映像の貴重さが一層伝わったのではないか。
- アマチンさんのナレーションはなごんで良い。
- 【西川委員】
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- 番組の長さも解説のタイミングもほどよく、アマチンさんの声は聞きやすかった。
- 古い動画だが、当時撮影している人は若者だったと思う。現在にも共有できる視点を感じた。
- 視聴者は白黒に慣れていないので、退屈に感じるかもしれない。今のカラー映像をもう少し入れると集中力を持って見ることができるかもしれない。
- 【藤井委員】
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- 市民が撮ったと思われる映像がたくさん使われていたが、映した人々の生活、思いそのものがあるのではないか?市民目線というものを意識するのであれば、その場所のダイレクトな解説だけでなく、映した人の状況やその気持ちを代弁する言葉などがあったらとても良かったのでは?
(例)○名古屋駅裏で、4人の男性が歩いている場面
「男性4人仕事での出張で名古屋に来たのでしょうか。
その背景に、当時の名古屋駅の様子が映っています。」
とか
- 今回の番組の映像が今の若者の投稿動画と違うかどうかについては、そのような視点を与える言葉がないため、見る側にその違いを感じさせたり、意識させたりするのは難しかったのではないかと思う。
- 構成について、はじめに名古屋駅、鉄道(D51や鶴舞駅付近)そしてまた名古屋駅周辺というのに、なぜまた?と少し不自然さを感じた。
- カット割りについて、はじめの方の場面で、名古屋駅を短い時間で違う年代の画像をつなげていたが、見る側はその場所がどんな風に変わっているかを見付けようとするため、フラッシュ的な映像の編集は息のつく間もなく流れていってしまった感があった。
- アマチンさんのナレーションは、アマチンさんを知っている者にとって親しみのある溶け込みやすいものだった。一部ナレーションと流れている映像にずれがあったのは残念だった。
- いろいろな映像が出てきますが、主題が8ミリなので、8ミリ映像とそれとは違うもの(昔のものでも8ミリとは思えない映像)とは、きちんとわかるよう示すべきではないかと感じた。
- 神山さんが話されている場面での左下の神山さんの説明の字が少し小さく見にくかった。
- 例えば3巻の生活など、より市民目線が意識されていたものもあったのではと推察する。今回については本来4巻まとめて見た上での審議とした方が良かったのではと感じた。
- 【足立委員長】
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- 動画なので、白黒でも、ピンぼけでも印象に残った。
- 他のエピソードも見てみたいと感じた。
- 市民撮影の映像なので、当時の車や服装がよく写っていて面白かった。
- ELMOが名古屋の会社なので、名古屋には8ミリ映像がよく残っているという神山さんの解説は分かりやすかった。
- 中日シネマ開館の映像は間延び感があり、もっと短くてよかった。
- 映像のバックの音楽に、当時流行した音楽のメロディーが流れると、もっと違った印象になると思った。人間の記憶は視覚とともに聴覚も大きいので、伊勢湾台風の年(1959年)に流行った「南国土佐を後にして」などのメロディーが流れてもよかったかもしれない。
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